『yuanfen』というアルバム、というかライブについて
『光の道標』カップリング曲の「CAFUNÉ」の完全な虜になってから数ヶ月、早くも鹿乃さん×田中秀和さん×Aireさんの個人的神コラボの新曲が収録されたアルバムがリリースされるということで。リリース前から待ち遠しく思っていたにも関わらず、昨今の事情から出不精がさらに加速してフラゲ日の火曜から遅れること、金曜にようやく手に入れたのですが、一度手に入れてしまうと二度と離れられない…悪魔的なアルバムでした。
曲の雰囲気を感覚的に感じつつ書き殴っているので、いろいろ抜けてたりボケてたりするのはご了承ください。
挨拶のようなポップチューン、「午前0時の無力な神様」は先述の神コラボによる一曲。前回の「CAFUNÉ」の染み渡るような優しさから、鹿乃さんの可愛さを感じさせるようなそんな雰囲気でスタート。
次の「光れ」はダンスチューンのアレンジで、このアルバムを更に盛り上げていく加速力となるような感じ。機械的なサウンドから一変「yours」では古典的な楽器と現代楽器を混ぜ合わせることによる不安定さの中に、上から響く鹿乃さんの歌声が交わることで幻想的な感じでした。デレマスに田中さんが最近提供された曲である「Bressing」と対になるような曲だなと。「KILIG」は一風変わったJ-pop的なナンバーでこれから続く優しい雰囲気への橋渡しとして上手く機能しています。「聴いて」はまさしく言葉(歌声)を響かせるような楽曲でこのアルバムのヤマのような感じでした。「漫ろ雨」はこのアルバムの終わりに向けてさらに盛り上がっていくようで、落ちサビ前に一度落とすことで更に盛り上げるJ-popでいつか体験したような、名残惜しさを感じさせるものでした。「おかえり」はこのアルバムの一区切りを思わせるエンドロールが流れていそうな感じ。名残惜しさを感じながらも鹿乃さんのやさしい雰囲気が全開で、もっと聴いていたいな次はどんな曲だろう(トラック番号見てればわかる話ですね)と思わせてくれる一曲。
~アンコール~
全開で明るい曲をここに持ってきたのはこれが控えていたからだな、とイントロから感じさせるのが「罰と罰」。これまでのひとつの塊を完全にここで断ち切ろうと言わんばかりの場面転換。真っ黒なステージから突然この楽曲が流れ始めたら完全にビビりますし、この曲を聴き終わった時には二度とこの空間から離れたくないとも思わせるような中毒的なチューンです。東京事変フリークな自分としては「御祭騒ぎ」を彷彿とさせるような魔力を感じていました。そしてアルバム本トラック最後の曲が「エンディングノート」。タイトルからして別れの曲のはずなのに、決して涙の別れではない前向きにさせてくれる曲調は「土曜日のフライト」に次ぐなにかを感じました。フェードアウトで曲が終わっていくのもまた演出としてニクい。そしてボーナストラックにアズレンの主題歌としても収録された「光の道標」でこのアルバムは終わりです。
好きな作曲家の人が全曲に携わった新曲を集めたアルバムだったこともあり、一通り全曲流してみて思ったのが、ライブのセトリみたいだなということでした。そうと解釈しないと「罰と罰」の特異性が自己解決出来なかったというのはあるのですが。ただその特異性に完全に惹かれてしまったこともまた事実でして。
ラジカセにCDディスクをセットして、ヘッドホンでずっとこの音楽の空間に留まっていられたらどんなに心地よいことだろうか、この楽園にみんなも囚われてしまえばいいのにと思わせるそんな中毒性の高いアルバムでした。
この楽園から抜け出せるのは何時になるのか、今はまだわかりません。