きままにほろり

銀色のシールの貼ったゲームのネタバレ感想ほか、徒然なるままに。

公立図書館のオープンネカフェ化?

いつ頃からなんでしょう。TSUTAYA(CCC)が図書館運営事業に参入し始めた頃でしょうか、明らかに背の届かない高さの本棚や本が読み物としてはなく飾る物として壁面に並べられるようになったのは。

…ですがそのような場所に並べられているものは、最近に設けられたものだと表紙だけのダミーであったりする場合を聞くので、不安解消(クレーム対策)として大きく周知していってほしいですね。本の壁自体は新たな図書館の形として、よくわからないからと消極的に受け止められてしまうのは惜しいと思います。

 

図書館の判断で、個人全集などが手に届かないような本棚の高い場所に置かれているようなところはどうかと思いますが。

 

あと図書館内に喫茶室というか喫茶店を併設するところもありますね。書店でも喫茶店併設店舗が見られるようになっているように思えますが、読書スペースと飲食空間の区画分けをどこまで厳密にするか、今後も注意すべき課題のように感じます。

また、最近では公立図書館内にコワーキングスペースを設けるところも出てきているようです。現に大学図書館でも私が学生だったコロナ禍前は持ち込みPCが使用可能な座席はごく一部の区画に限られていましたが、今では大幅に緩和されほとんどの座席でPCが使用可能となりコンセント等の電源設備も設けられるようになったようです。

コワーキング環境といえば、喫茶店などでよくその光景が見られたり駅にロッカーのような個室が設けられる他には、オフィスビルの一角に会員制のものが設けられるなど現在進行形でその需要が高まっていることを感じます。ただ、上に挙げたものはいずれも有料にて提供される環境であり、そこに立ち入ることができる人は限られてきます。

公立図書館内に設けられたものは無料で提供されるものがほとんどで、学生が自習室感覚で図書館を利用するのとさほど変わらない気がします。まるでオープンネカフェ化とでも例えてよいものでしょうか。図書館によっては「学生による、所蔵図書を利用しない自習利用おことわり」なんてのもありましたが、いずれはそうした注意書きも消えていくのでしょうか。そんな貼り紙が設けられたのも読書スペースが自習の学生たちで埋まるようなことから白い目で見られたのであって、図書館内に自習室を設ければよい話なのですが、コワーキングスペースとの兼ね合いや読書スペースとの区分けなど、各図書館で利用実態に応じた工夫を講じていく必要がありそうです。

行政にとっては会社にオフィスを構えてもらう方がいいのでしょうが、コワーキングスペースの需要にも応えない訳にはいかず悩ましいところがありそうです。

 

どうすれば図書館を利用してくれる人が増えてくれるのかというのは行政機関における共通の課題なのか、地域でそれぞれ創意工夫が見られて図書館はまさしく訪れるだけでも興味深い施設となっています。近年の教育方針により感覚が希薄となっていく危うさもありますが、本来は地域の郷土史料や本屋には並ばないような古書に触れられる場であることも確かであり、そこの役割を見落とすことなく持続可能な姿を探っていってほしいと思います。