きままにほろり

銀色のシールの貼ったゲームのネタバレ感想ほか、徒然なるままに。

9-nine-そらいろそらうたそらのおと

2017年の「ここいろ」から1年ずつ一人のヒロインに焦点を当てた一連の物語を紡ぐという計画らしい、この作品。四人のヒロインだとしても順調に行けば2020年に完結見込みなんですが、そこまで続くのかも含めて気になるところです(完結してもらわないとこれまでの作品を購入したユーザーが宙ぶらりんで放置されることになるし、まぁ無いだろうな…)。そんな作品を中の人の演技がいいという風の噂だけで「そらいろ」購入を決意した自分なのでした。

 フルプラの作品だと共通+複数人の個別進行で一つの物語を成り立たせていますが、本作はロープラであり、かつ一人のヒロインにのみ焦点を当てているので物語は読み始めると一気に読み切りたい自分としては新鮮な作品でした。本作は四ヒロインになると仮定するとフルプラの作品よりも高めになると思われますが、この物語を買い続けるかどうかはユーザー次第なので、フルプラで出すよりも更に単作で面白いと思わせながらも次作もプレイしたいと思わせるような作品づくりが求められ、なかなか挑戦的な作品なのではないでしょうか。

 


『9-nine-ここのつここのかここのいろ』あらすじムービー

あらすじは便利なムービーが上がっていますのでそちらに譲るとして、私がこれまでやってきた作品では共通を経て個別で完結させる、すなわちヒロインの人数だけの結末があるという感じでした。「千恋」のように完結させつつ鍵を複数進行に忍ばせておく場合もありますが、それはあくまで一作品の中の物語における話で済みます。しかし、本作ではひとつの大きな物語を横たわらせつつ個の物語があるので、ちょっとめんどくさく本作をプレイしただけでは横たわる大きな物語の真相には辿り着けないというもやもやがあります。なので次作をやればいいんですが次作が出て、物語の真相知りたさにそのゲームを購入に至るかどうかは不透明なところです(そのキャラと関わりたい思うかどうかも問題)。ロープラなので多少のハードルは下がるとはいえ難しい問題になるのではないでしょうか。ヒロインによる物語の違いを“あったはずの可能性”として、大きな物語で包み込んでしまい、その物語間を行き来するアイドルが存在しているのが本作の特異性でしょうか。

 

本作の主人公は天、主人公の実妹(ということでいいんでしょうか)です。これまでのプレイ作品で実妹というのは無かったように記憶しているのでこういうものは初めてでした。ブラコンを隠す為にやけにテンションが高く、やりようによってはくどいと嫌煙

されそうな危うさがありますが、沢澤さんの軽快な主人公との掛け合いでそのようなストレスは感じないまま物語を進めることが出来ました。

共通でひとヤマ、個別でもうふたヤマくらいがこれまでやってきた作品の所感なのですが、ここではおおきなひとヤマがあってそれに付帯するひとヤマという感じだったので、本作だけ見ると物足りなさを感じてしまうかもしれません。

シーンが兄妹という関係性の特殊さをもみ消そうとしてるのか、普段のやりとりそのままの勢いで突入して、すこし引っ掛かってしまいました(いわゆるバッドエンドの方がまだその雰囲気がある)。E-moteのある作品というのを初めてやったのですが、一枚絵だと男の描写を気にしたりしないはずが、動いてると曖昧にされると気になるのは発見でした。

希亜進行、覚えてたら欲しいかなーと思ったくらいかなぁ。