きままにほろり

銀色のシールの貼ったゲームのネタバレ感想ほか、徒然なるままに。

三宮クロススクエアに対する危惧

三宮クロススクエア 三宮再開発の目玉とされ、駅と神戸そごう(阪急)とマルイの面する交差点一帯を歩行者天国としようというもので、今年度の市の予算案の中では幅員減少の社会実験のプロセスも示されていた。十字に6線ある自動車道路をすべて無くしてしまおうというもので、狭い三宮駅前広場の解決策としては多少乱暴であるものの画期的だという印象を私も当初は感じていた。しかし、計画の推移を気にしているとこの計画が本当に実現されてよいものなのか、懐疑的な思いがどんどん増していっているのが現状である。

※以下の文は何も知識を持たない一市民の戯れ言です

  この不安の理由となっているのが“クロススクエアを整備する”ことが先行して周辺地域の人の流動に与える影響について市がどこまで関知しているのか分からない点である。まず当初は全車線をスクエアから排除するというイメージで動いていたはずのものが、ほんの数日前、弱者の為にと車の一部流入を容認するような計画変更が発表されたからだ。この計画変更によりそもそもクロススクエア自体が実現性を全く加味しないままに発表された、無計画の大風呂敷だったのではないかと疑わざる得ないことになったと思うのは私だけだろうか。 それに加えて私が一番憂慮していることが、クロススクエアの整備に伴うバスなどの交通網の姿が全く見えてこないことである。JR駅ビルの再開発に関して市議会でどのような議論がされているのかについて議事を見ていたところ、三宮駅周辺のバスが新バスターミナル以外に神戸方面や山手方面から発着するバスが三宮のどこを起終点とするのかが現時点で定まっていないという内容を見つけた。 ここでもスクエアを歩行者天国にしようというイメージのみが先行して、人の流れというものを全く考慮していない計画ではないかという思いが強まる。

 

人の流れという点では将来的な元町と三宮の流動の変化についても不安視している。市は三宮再開発で三宮東までのエリアと沿岸部の再開発に注力しようとしているが、ここで気になるのが元町を置いてきぼりにしていないかという点である。旧居留地エリアは80年代後半から神戸大丸が百貨店店舗だけではなく、周辺エリアも含めてブランディングするという、母体のJFRが現在掲げているアーバンドミナント戦略の礎を築いた場所である。それから30年が経ち旧居留地は他のエリアと一線を画しているものの、大丸はこの数ヵ月ずっと他店舗がインバウンド効果で前年度比売り上げを伸ばす一方で、唯一売り上げを下げ続けているデータが出ている。メンズフロアなどの改装はあったものの楽観視できない数字ではないだろうか。一方で旧神戸阪急・ダイエーから改装したumieは数字を伸ばし、三宮再開発ではそごうを阪急が取得しいずれ改装に入ることは明らかで、JR駅ビル再開発もそこからすぐに始まるであろう。そんな中で地域一番店として居続ける為に大丸がどうしていくかは、JFRにとっても次の戦略を見据える上で重要な時期なのではないだろうか。

私にとって百貨店はその地域にどれほど愛されるかにその価値があると思っていて、近くでいうと大丸が閉店した新長田は苦労している印象だし、西神そごうは市交通局が賃料を優遇するほど地域に必要な要素であると認識されている(H2Oへの譲渡では切り離されたが)。 そんな中で市は三宮再開発に注力し、大丸前から六甲方面へ向かうバスの系統は三宮止になることが必至で、大丸前も歩行者天国にしようとするその姿は“必要としている”というよりも「大丸がいるから元町は安泰だろう」と“甘えている”感を抱く。そんな甘えの市に対して大丸はJRへ元町駅東口のバリアフリーを求めるなど、自社範囲だけではない地域全体への介入を今後は進めていくべきなのではないだろうか。地域に必要とされる百貨店として魅力向上に努めるだけではなく、地域により深く関与していく姿勢が今後の百貨店には必要と私は考える。

 

一面的にしか見えてないことから勝手に思ったことを、長々と書いただけなのでたぶん実情は全く違うんだろうなと思うしきっとそうでしょう。お前の思ってるようにならないぞというような神戸になってほしいなーと思います。