きままにほろり

銀色のシールの貼ったゲームのネタバレ感想ほか、徒然なるままに。

ワガママハイスペックOC

体験版はやったものの本編はやっておらず、気になるキャラがヒロイン化されるからとファンディスクのみを買う奇行に走るのはハピメア以来でした。姉キャラが好みな私にとっては二人もその属性があるということで期待値は割と高めだったように思います。

 

学生でありながら漫画原作を手掛ける作家である主人公の幸樹にはぐーたら妹の兎亜と幼馴染みの真尋、漫画担当で生徒会長のかおること副会長のアーシェに囲まれて生徒会役員として学校生活を送っています。本編では以上の四人がヒロインであったものを、FDではクラス委員長の夏恋と担当編集の千歳、担任の縁をヒロインに加えて話は展開します。FDらしく最初から個別進行を選択する形で話は進んでいきます。

 かおるこ・アーシェ・兎亜・真尋

表題の通りそれぞれにワガママな性格で幸樹に心配をかけて(かけられ)るものの、ハイスペックな技術をそれぞれ持っているという。そんな親密な二人のその後に起こる出来事を描く完全なアフターストーリーなので、本編をやっていないことには深くは楽しめない。とりあえず仲は良いので犬も食わぬ痴話喧嘩といってしまうとあれですが、喧嘩をどう二人で乗り越えていくのかというところでしょうか(本編やらんと何も言えん)。

 

実はヤンキー上がりの教師ということで、ゆずクラとしては天神乱漫の紫を思い浮かべたのは別の話(今気づいたけど名前の読み同じじゃん)。

乱暴なところはあるものの生徒思いな縁が、同僚教師と街コンに行っているところを目撃した主人公。縁は婚期を逃すことに焦ってはいるものの、理想は高くなかなか好みの男が見つからず泥酔したところを、再び通りがかった主人公に介抱され未遂な出来事まで起こりかける。二人とも忘れようとしていたが主人公の仕事が縁に知られ、二人の関わりがより深くなっていく中で純情な縁は幸樹に惹かれていく。立場からためらう縁だったが、男らしく幸樹が押し切る形で付き合うことになり…。

大きすぎて少しバランスが悪いくらいのサイズ感。欲張りを言うならもう少し初心具合の描写が、もっとたくさんあっても良かったのかなーと思ったり。

 

千歳

主人公が執筆活動を志したきっかけには、幼少期に出会ったあるお姉さんとの出会いがあって…。その会っていた相手というのが実は担当編集である千歳だったという話。

連載作品とは別に素人時代にネットへ投稿していた小説を改稿して出版しようという話になり、会議を重ねるが作家に過干渉しない冷静な千歳の雰囲気がいつもとは違っていて…。その小説の内容というのが小説を書くきっかけとなったある人物との交流という実話をベースに書かれており、その人物が千歳だったというものだ。千歳も思うものがあり推したものの、半信半疑だったものが幸樹宅での懇親会をきっかけに確信へと変わり動揺する。混乱して泥酔してしまい主人公に自宅へと送ってもらう中で、覚悟を決めて受け取った手紙(恋文)を見せて正体を明かす千歳。お互いに知ってしまった二人はどうするのか…。

エ〇マンガ先生でも似たようなものがあったような、幼少期の創作のきっかけとなる出会いを絡めた新たな進行。互いの気持ちを紛らわすように行きずりの関係へ流れ込むさまは、他のテイストとは異なりある意味でバッドエンドのような感覚さえある。 ただ止まってしまった時間を再び動かす為に、必要だった手続きと言えばいいのか最後には正常な関係へ至る。

まとめながらこういう解釈をすれば納得はするものの、持っていき方としてはあまり合わなかった。

 

夏恋

クラス委員長を務める傍らで演劇部にも所属している、人付き合いも多い完璧少女…のようで共働き家庭で双子の妹の世話をこなす肝っ玉姉ちゃん。体調不良をきっかけに主人公との、親に頼らず妹を育てる苦労で意気投合して頻繁に遊びにいくようになる。 そんな中で妹たちの通う幼稚園から出演依頼が来るものの、人手が足りず友人らで手伝いをすることになる。そうした過程の中で夏恋は主人公に好意を抱いていき、舞台の成功を経て付き合うことになる。 夏恋が出演するコンクールの舞台を控える中で台本の進み具合が芳しくなく、幸樹も手伝いに入り次の舞台へと進むことになる。彼女の活躍により次へ進んだと評価されるものの、夏恋は忙しさを理由に次の舞台には出ないと言い…。

今回のメインヒロインと言って問題ない(というか確信をもってそう言える)。ワガママでかつハイスペックなヒロインに対して、ハイスペックなのにワガママが言えず勿体無いことになっている立ち位置。他の二人とは違って等身大の普通の学生なので、何が起きても安心して進行できた。

 

 

 

全体的に主人公よりもヒロインの心情に重きが置かれている印象。ひとつ気になったのが問題を解決するシーンで流れるBGMとして軽快なリズムのピアノが流れるのは、個人的にどうなんだろ?と思ってしまった。 とりあえず本編よりも先にすると損をするなと思っていた方がいい。