きままにほろり

銀色のシールの貼ったゲームのネタバレ感想ほか、徒然なるままに。

E×E

1作目のみだけで終わらず無事?に2作目のレビューでございます。前回と違って全部回してから数ヵ月くらい経ってからの記事作成ですので、考えについては初めに抱いたものとは変わってるかもしれませんので悪しからず。
プレイ作数はそろそろ2桁になろうというところですが、歴にしてみれば丸3年といったところで浅い方でしょうか。この作品も8年くらい前のをショップで見つけてきたものです言わずもがな中古。バックログはあるものの元に戻るが出来なかったり画面が4:3だったり、パッチを見つけてきたり(これを自分はよく忘れる)と今のプレイ環境が如何に恵まれていて進化してきたかが感じられます。(2017/1/23の記事を再構成)

 進めた順番:夏希→円→未緒→悠

病院火災で母親を亡くした主人公はずっと助けられなかった自分を悔いて生きてきた。また、その火災は同時に人の魂を移動させるという研究が行われていたという事実を消し去った。
それから十数年たったある日、少女が現院長にもう一度研究を再開しないかと吹き込む。事情を抱えた院長はリスクを承知でその研究を再開させる。そして再び動き出した研究に当時の研究に関わった、主人公をはじめとする子ども達も巻き込まれていく。その過程で母親がその研究に関わっていて、自分を巻き込んだ本人であると教えられた主人公。物語では研究に巻き込まれる過程でその真相へ迫っていく。

  • 夏希 特殊能力を持つ者(鎖を操る)として組織に所属し、学生ながら研究の阻止へと暗躍する存在。巻き込まれる中で自衛の必要を感じた主人公に対して能力を授ける師匠としての役割を担う。夏希個人のことよりも物語の本筋に一番深く関わっていくルートで進行管理的にも少々複雑なルートになっている。この進行では少女の裏で動いていた少年が物語の中心となり二人の敵として立ちはだかる。少年が仕掛ける箱庭(パラレルワールド)や謎の喋る猫の出現など、様々に起こる危険の中で母親の思いや自身の役割について知っていく。様々な誘惑や危険に逢いながら夏希との仲を深めていき、エピローグでは落ち着いたものとなっている。
    この進行ではヒロインである夏希の活躍もそうだが、親友や母親や育てられたお姉さんといった所謂サブキャラの方が立っていると言ってもいいだろう。そのせい?で進行管理に注意しないと少女に誘惑されたり、夏希進行を進めていたと思ったらお姉さんと繋がっていたたんていう誘惑浮気だらけなので気をつけたい。
  • 円 物語の本筋には関わらずに二幼馴染み二人の恋模様を描く日常ルート。幼馴染み同士が色々と悩みながらもだんだんと仲を深めていく、テーマが深い本作品におけるオアシスとも言えるルート。
  • 未緒 宇治上という元研究者と共に研究の阻止の為に暗躍する刀遣いのお姉さん。研究の阻止には組織も関わっているが二人はそこには所属せず、いわばアウトローとして研究を追いかけていた。しかし宇治上の本心は研究の阻止ではなく研究の完成を目的としていて…これまで頼りにしてきた男の裏切り同然の行いに未緒は自失してしまう。 これまでの未緒の姿に憧れと好意を抱いていた主人公は変わり果てた姿を見ていられず、発破をかけるように彼女を突き放す。主人公のおかげで立ち直った未緒は主人公と恋人関係になり、宇治上に立ち向かい研究を完全に断ち切ることに成功する。
    エピローグで未緒は主人公から離れる道を選びまたの再会を約束して終わるのだが、今だと無さそうなヒロイン像であり結末だと思った(もしアフターストーリーがあればどうなったのかは気になる)。
  • 悠 自身も火災で父親を亡くし、主人公とは違い孤児として育ってきた悠は誰とも関わろうとしない内向的な人間。そんな悠が父親がどのような人間だったかを知り、利用されようとするのを主人公が助けて二人で共に乗り越える中で仲も深まっていく。そんな日々を過ごす中で少女からの誘惑に惹かれ、利用されかけるがまたも主人公に助けられ無事に研究とも縁を断ち切る。ようやく平穏な日々を掴み取った二人はもう離れられないような仲になり物語は終わる。

 魂の書き換えという近未来的な物語でそれぞれの人間の思惑はシリアス要素すら感じさせる。ただし完全なシリアス振りではなく、平穏を取り戻していく過程そのものは今と通じるものがあるのかもしれない。各ルートに答えを散りばめて全進行をすることでパズルのピースが埋まる物語のスタイルは今とあまり変わらないのではないだろうか。ただほぼ全キャラと何らかの形で交われる当然、男と親類は除外のは今の作品ではない。個人的には物語として今と遜色ないもので満足感があった。